スポーツジムで認知症を予防しよう!シニアにおすすめな運動習慣
スポーツジムといえば筋トレや、ランニングマシンで汗を流す若者の姿をイメージするかもしれません。しかし、最近シニアのスポーツジム利用者が増加しています。運動は認知症予防にもなることがわかっており、介護予防、認知症予防のプログラムを設けているジムも珍しくありません。シニアの方も自分にできる運動から始めてみませんか?
認知症の予防には適度な運動が必要!
認知症の発症率と運動の関係について調べた研究の多くで、高齢者の運動は認知症発症率の低下につながるとの結果が出たと発表されています。たとえば、運動量の多い高齢者と運動量の少ない高齢者では、運動量の多い高齢者の方が認知症の発症リスクが低いという研究結果が出ているのです。
なぜ運動が認知機能によい影響を与えるのか
体を動かすことで筋肉の組織からイリシンという物質が分泌され、脳内に運ばれることでたんぱく質の分泌を促進します。そのたんぱく質が脳の神経細胞の働きを活性化させるといわれています。
つまり運動によって筋肉に刺激を与えることで脳が活性化し、認知症を予防するというわけです。脳が正常に働くには、たえず充分な血液が流れていなければなりません。よって有酸素運動によって血流を促すことは認知機能の改善に効果的であると考えられています。
歩くだけでも認知症予防に
でも体を動かしましょうといわれても、どんなことをしたらよいのかわからないですよね。「寝たきりになると認知症が進みやすい」という話や、逆に「たくさん歩くようにすると認知症を発症しにくい」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
単純な「歩く」という動作ですが、血流を促し、脳の血流を増やすことで、認知症予防効果が得られます。
しかし無理に走ったり、早歩きしたりする必要はありません。血圧の急な上昇を防ぐため、息が上がらない程度にゆっくり歩きましょう。また、歩くことができない方は関節や皮膚を刺激するだけでも効果的です。関節の曲げ伸ばし、足をさするだけでも脳への血流を増加させることができます。
激しい運動でなくても大丈夫
先ほど、運動量の多い人は運動量の少ない人に比べ認知症発症リスクが低いというお話をしました。特別な運動だけでなく、家事、買い物、ガーデニングといった日常的な身体活動をするか、しないかによっても認知症発症リスクには差が出ることがわかっています。毎日少しでも体を動かすことが大切といえるでしょう。ここでは、認知症予防におすすめのやさしい運動をご紹介します。
ウォーキング
ウォーキングは最も手軽に行うことができ、継続しやすい運動です。脳への血流を改善する生理的アプローチと、人との交流で脳を刺激する認知的アプローチの両面を取り入れることができるのもメリットです。友人とおしゃべりしながら歩いたり、外の景色を楽しんだり、通ったことのない道を歩いてみるだけでも脳が刺激され、より効果が期待できます。慣れてきたら徐々に距離を伸ばしてみましょう。
グランドゴルフやゲートボール
程よい運動ができ、頭を使ったゲームが楽しめるグランドゴルフやゲートボールは認知症予防にぴったりのスポーツです。一人で行う運動と違うのは、人との関わり、会話が持てることで脳が活性化されることです。近くにクラブや趣味で行っている人がいたら、ぜひ参加してみましょう。
ヨガやストレッチ
家にいながら簡単にできるヨガやストレッチもおすすめです。深い呼吸でリラックス効果もあります。またヨガは全身を使った有酸素運動なので血流促進の効果が期待できます。心臓に負担が少ないため、疲れを感じることなく、継続しやすい運動です。
できる運動から始めよう!
運動習慣は1回30分以上、週3日は行うことが効果的といわれています。しかし、一人で運動していても長続きしない、運動仲間が欲しい、プロのアドバイスをもらいながら運動したいという方はスポーツジムを利用してみましょう。器具を使った運動やスイミング、ランニングマシンなど、家にいてはできない運動を体験できます。同世代のジム仲間やトレーナーとの交流により、モチベーションの向上や、ストレス解消にもつながるでしょう。
また、スポーツジムでは介護予防、認知症予防プログラムがシニアからの注目を集めています。たとえば手指体操や脳トレを取り入れた脳の活性化を図ると同時に、有酸素運動と筋トレをあわせて行います。これらを行うことで脳の活性化と筋力アップによる血流の改善を促します。他にも多様な運動を体験できるため、トレーナーと相談しながら自分の体力に合った運動から始めて見ましょう。
毎日の運動習慣は、最初は気分が乗らなかったり、面倒に思えてしまったりすることもあるかもしれません。しかし、継続できるようになると「運動しない日は何だかすっきりしない」といった体の変化を感じるようになるほどです。毎日の健康維持と認知症予防のために、まずは自分にできそうな運動から始めてみませんか。